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日本共産党 岡山市議団

12月 21st, 2017

【資料】 2017年11月定例 陳情討論(河田正一171221)

17年12月21日

(印刷用PDF)討論原稿 陳情・河田171221

 

日本共産党岡山市議団を代表して、陳情第29号「日本政府に核兵器禁止条約の調印を求める意見書の提出について」の委員会の報告に反対し討論します。

核兵器禁止条約が7月7日、国連会議で採択されました。122カ国という国連加盟国の2/3もの国々が賛成しました。

核兵器禁止条約は、法的拘束力のある国際協定として初めて、明文で核兵器が違法なものとなりました。この条約の最大の意義はこのことにあります。

条文は、「抜け道」のない禁止すべき行為を列挙しました。
(a) 開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵
(b) 移転
(c) 受領
(d) 使用と使用の威嚇
(e) (上記禁止事項の)援助、奨励、勧誘
(f) 援助の要請/受領
(g) 配備、設置、展開

これらがことごとく禁止の対象とされました。

 

「使用の威嚇」が禁止されたことは、核兵器を振りかざして、他国を威嚇する「核抑止力」政策そのものが否定されたのです。それは核保有国が核兵器を持ち続ける最大の「口実」の全面否定です。

(e)の「援助し、奨励または勧誘すること」の禁止は、米国の「核の傘」のもとに入ること、即ち、米国による核兵器の威嚇を「援助、奨励、勧誘」することによって自らの安全保障を図ろうとする行為も禁止されることになります。

さらに(g)で、自分の国の領土に、他国の核兵器を「配置、設置、配備」することを許可すること、即ち、核兵器持ち込みを許可することも禁止しています。

こうして核兵器禁止条約は、「抜け穴」を許すことなく、核兵器を全面的に禁止することになりました。核兵器は、非人道的で、反道徳的なものであるだけでなく、違法なものとなったのです。

 

北朝鮮が、ミサイルや核開発に血道をあげて取り組み、国際関係に緊張を生じさせています。一方、米国のトランプ政権が「力対力」の圧力をかけ、偶発的な事故による核戦争に巻き込まれる懸念が高まっています。

北朝鮮の核開発は断じて許すことはできません。しかし、一方だけに、核の放棄を求めても、北朝鮮の核開発をやめさせることは難しいです。

全世界から、核兵器を廃絶する機運の醸成の中でこそ核兵器をなくすことができます。

 

「国連会議」は国際政治における大きな転換点となる歴史的会議となりました。

その特徴の第1は、「国際政治の『主役』が、一部の大国から、多数の国々の政府と市民社会に交代したことです。

従来の核兵器交渉といえば、米国と旧ソ連などの核保有大国が中心で、その内容も自分たちの許容できる範囲でのルール作りに過ぎませんでした。しかし、今回の「国連会議」では、「核兵器の全面廃絶につながり、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定」が会議の主題でした。そして、大国ではない多数の国々の政府と市民社会が、対等・平等の資格で、世界政治の「主役」となる新しい時代が到来していることを、生きた形で示したのです。

条約の成立に当って、被爆者の役割が決定的に重要でした。「被爆者は耐え難い犠牲をこうむった存在と言うだけでなくて、『核兵器のない世界』をつくる創造者」として条約に明記されました。

 

第2に、国際社会における民主主義の発展です。

これまでは、軍縮会議やNPT(核不拡散条約)再検討会議は大国が1国でも「ノー」といえば合意が得られませんでした。

「国連会議」はこれまでの状況を打破するために、民主的に議論して、多数の意思で決定し、前進するという方式をとったのです。それが見事な成果に結びつきました。

市民社会の後押しがあったことは、今年のノーベル平和賞にICANが選ばれたことからもわかるように、世界の趨勢は核兵器の廃絶に大きく動き出したのです。

 

第3は、核兵器に固執する勢力が一層追い詰められていることです。

会議では、一部の核大国が、発展途上国などに、参加しないように「圧力」をかけました。会議の成功は、米英仏の3カ国共同声明は、(こんな条約では)「核兵器は1発も減らない」「世界の安全保障の枠組みを弱体化させる」と条約を批判しましたが、国際会議をひっくり返す説得力のある論理は無かったのです。こうした妨害が失敗したことをはっきり示しました。

もちろん、核保有国が決断しないと核兵器はなくなりません。核兵器保有国が条約に参加する扉が開かれており、「自分たちは条約の対象でない」という言い訳はできないようになっています。

米国の核の傘によりかかっている日本の安倍政権の下でも、全国各地で、政治的立場、党派を超えて核兵器廃絶を目指す取り組みが発展しつつあります。

ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える「核兵器廃絶を求める国際署名」への支持、賛同した自治体首長数は全自治体の半数に達しています。岡山県のすべての市町村長が賛同しました。

平和首長会議は、広島・長崎が中心となって「世界の都市が緊密な連携を築くことによって、核兵器廃絶の市民意識を国際的規模で喚起し、核兵器廃絶を実現する」ことなどを目的としています。
今年長崎で開かれた第9回平和首長会議総会では、「核兵器保有国を含むすべての国々に対し、条約への加盟を要請し、条約の一日も早い発効を求める」ことを表明しました。各国政府に対する要請の内容として、「現在の核抑止に依存する安全保障体制からの脱却」することも求めています。

岡山県内の自治体でも、「日本政府に核兵器禁止条約の調印を求める意見書」を求め、奈義町や早島町議会が採択しています。井原市、笠岡市や瀬戸内市では委員会では採択されています。そして今議会で、審議されている議会では少なくとも委員会で不採択にしたところはありません。委員会での不採択は現在のところ、県内では岡山市議会だけです。

日米安保条約に対する態度に違いがあるとしても、核兵器は人類の存亡にかかわるものです。世界が核兵器に「悪の烙印」を押したのです。

ノーベル平和賞授賞式で、サーロー節子さんは、「核兵器は必要悪ではない。絶対悪だ」「核兵器禁止条約を核兵器の終わりの始まりにしよう」「条約は光だ。この光を分かち合おう。」「光は、かけがえのない世界を存続させるために私たちが傾ける情熱であり、誓いだ」と述べ大きな感動を呼び起こしました。

 

岡山市議会としても、核兵器廃絶を働き掛ける一翼となることを求め、陳情の採択を求めます。

議員皆様のご賛同をお願いします。

 

 

【資料】 2017年11月定例 議案討論(東つよし171221)

17年12月21日

(印刷用PDF)討論原稿 議案・東171221

 

 

日本共産党岡山市議団の東つよしです。甲第171号議案、甲第185号議案の2案の委員長報告に反対の立場で討論をいたします。

公立園廃止・こども園化関連
甲第171号議案は平成29年度岡山市一般会計補正予算(第3号)です。このうち地方債補正3790万円と(25款市債1項市債3目民生債中児童福祉費の保育園・幼稚園一体型施設整備事業費充当3790万円)、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第1目児童福祉総務費の幼保一体化整備事業4390万円に関わる予算は、市立江西幼稚園の解体費です。市立幼稚園・保育園のうち30園を市立認定こども園に変え、残りを廃止民営化する計画の一端です。

市立江西幼稚園は、現に園児のいる園であり、廃止して民間にする必要はありません。

障害児受け入れについて今議会で問題になりました。公立幼稚園は基本的に受け入れていますが、私立園には受け入れの保障がありません。補助金などの裏付けがないからです。この度、地域が子ども全員の受け入れの要望を出し、応えるという約束を交わしたと言うことですが、障害のあるお子さんに対してどこまでできるのか。市立園で果たせていたことが後退しかねないものです。

マイナンバー関連
歳入第18款国庫支出金第2項民生費国庫補助金第3目民生費国庫補助金中、児童福祉費補助金、社会保障・税番号制度システム整備補助金362万円と、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第1目児童福祉総務費中、委託料の電算機業務委託料543万円はマイナンバーに関わる経費です。児童手当の支給に際し、年金情報にアクセスする整備です。年金情報はかつて125万人分もの情報が流出したことがあります。年金情報を守る手立てもとられないままマイナンバー利用を拡大することは危険ではないでしょうか。
そもそもマイナンバーは国民のあらゆる情報を管理するためのものであります。情報の紐つけをいっそうすすめる予算であり、本質的な問題があります。

新斎場関連
債務負担行為補正中、新斎場整備事業に伴う下水道整備工事費1500万円は富吉新斎場整備に関わる補正予算です。住民合意を待たず新斎場を決めた最初のボタンの掛け違えを直すことなく、既成事実のように工事を進めることは問題です。

中央公民館廃止
甲第185号議案 岡山市公民館条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の制定について は、中央公民館を廃止する条例です。中央公民館は、独立した社会教育機関として、公民館職員の研修や全市的な課題での取り組みを行っています。以前、市民と有識者を巻き込んで行った公民館の検討会答申では、地区公民館の自主性とともに、中央公民館の専門性などが位置付けられ、市内すべての地区公民館に社会教育主事という専門職を配置したという歴史があります。市民と職員の協働によって公民館を作ってきたからこそ、ESD世界大会の成功があります。今議会で活発な議論が交わされたLGBT支援についても、以前から講座などで問題提起してきた実績があります。

公民館の基本方針制定はH30以降です。新たな方針のないまま中央公民館だけ廃止しようというのです。中央公民館の代わりはアイプラザ4階に設置する公民館振興室ということです。公民館の検討会答申の検証をせず、市民的な議論は不十分なままです。なぜ中央公民館廃止を先行するのか。少なくとも、独立した社会教育機関でない「室」という扱いは明らかな格下げです。中央公民館で位置付けられた専門性の確保にとって重要であった社会教育主事を配置する保証すらありません。

公民館は市民の社会教育の自由を守る役割があります。たとえ行政が行おうとしている政策に批判的な側面であったとしても、市民にとって大切なことであるなら問題提起し、学ぶ場を提供する役割があります。中央公民館の廃止で、公民館が社会教育機関としての機能を弱め、上意下達の管理のしくみに組み込まれることを危惧しますし、そうならない保証は何もないのが今回の条例案です。操山公民館の設置に、中央公民館の廃止を合わせなくてはならない道理もありません。

 

以上の理由で、甲第171号議案、甲第185号議案に反対します。議員各位のご賛同を賜りますことお願い申し上げまして、討論といたします。

 

 

2017年11月議会が閉会 核兵器禁止条約の陳情は自民・公明・創政が反対

17年12月21日

 

2017年11月定例岡山市議会は21日、56件の議案をすべて可決し、2件の陳情を採択して閉会しました。

日本政府に核兵器禁止条約の陳情を求める陳情は、共産市議団と市民ネットが採択を主張しましたが、自民・公明・創政が反対して不採択となりました。

 

日本共産党岡山市議団は、公立園民営化・マイナンバー推進・新斎場整備の補正予算と中央公民館廃止の条例の2議案に反対して東つよし議員が、核兵器禁止条約の陳情採択を求めて河田正一議員が、それぞれ討論に立ちました。