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日本共産党 岡山市議団

10月 6th, 2015

15年前の今日、中国地方で震度6強の大地震が 

15年10月6日

今から15年前の2000年10月6日の午後1時30分頃、鳥取県日野町付近を震源として最大震度6強を記録した鳥取県西部地震が発生しました。

マグニチュード7.3という大地震だったにも関わらず死者ゼロという、ある意味では稀有な災害でした。

岡山県内では、新見市千屋地区などで震度5強でした。千屋地区は県内有数の降雪地帯で、冬のローカルニュースで気温のニュースや映像が流れるところです。全国各地の和牛のもとになっているとして「千屋牛」を売り出し中でもありますね。

震度の強かった地域は山間部で過疎化が進んでいたところも多く、生活再建には多大な苦労がありました。

一方、これを契機にした恒常的なボランティア組織が日野町などに誕生して現在でも活発な活動を続けている団体もあります。

 

1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)以降、日本列島各地で大規模な地震や火山の噴火などが起こっています。研究者の中には、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)と類似した「869年貞観地震」、南海トラフでの「887年仁和地震」などおよそ1000年前に地震・噴火が頻発した時代と似ているのではないかと指摘する方もいます。

今後、南海トラフ周辺を震源とする巨大地震の発生も予測される中、改めて自分や大事な人たちを守るために必要なことを考えてみませんか。

 

 

(資料) 2015年9月議会 議案に対する討論 河田正一(9/24)

15年10月6日

●動画(インターネット視聴)はこちら http://www.okayama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=577 (開始から39分ごろ~51分ごろまで)

●質問原稿(PDF)はこちら 20150924 討論・議案(河田)

●全文は以下をご覧ください

私は、日本共産党岡山市議団を代表して、9月定例会に提案された 37議案のうち、 甲第168号 岡山市証明事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について、 甲第169号 岡山市印鑑登録及び証明に関する条例の一部を改正する条例の制定について、 甲第170号 岡山市住民基本台帳カードの利用に関する条例の一部を改正する条例の制定について、 甲第171号 岡山市個人番号カードの利用による証明書等の交付に関する条例の制定についての4議案に反対の立場で討論します。

 

これらの4議案はいずれも、個人番号カードまたは住民基本台帳カードに関する条例です。個人番号カードおよび住基カードはどちらも発行機を利用することにより住民票、印鑑証明などを取得するためのものです。しかし個人番号カードは窓口発行の証明書発行にとどまらず、多くの個人情報を内包するものとなります。

そもそも個人番号制度は、国民の各種個人情報を個人番号(マイナンバー)によって結びつける制度です。国民一人ひとりに特定の番号を附番し、様々な機関や事務所などに散在する様々な国民の個人情報を個人番号によって名寄せ、参照することを可能とすることで、行政などがそれらの個人情報を活用しようとする制度です。

日本共産党は、次の3点で反対しました。①プライバシー侵害や、なりすましなどの犯罪を常態化する恐れがある。②共通番号システムは、初期投資3400億円ともされる巨額プロジェクトにもかかわらず、その具体的メリットも費用対効果も示されないまま、新たな国民負担が求められ続ける。③税や社会保障の分野では徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねないと導入に反対しました。

マイナンバーで管理される個人情報は、現在は、社会保障、税、災害の3分野の98行政事務です。しかし政府・産業界は、対象情報の拡大、カード活用の拡大に躍起になっています。マイナンバー制度がスタートする前から利用拡大の法改正提案が今国会に提出され批判が集中しました。その内容は、①銀行口座・ゆうちょ口座のマイナンバーへの紐づけ ②特定健診結果、予防接種履歴 などです。

国民は”番号管理”という大きな手間を強いられることになります。

国民にとっては、源泉徴収票など税務署に提出書類にはマイナンバーの記入が義務付けられます。労働者は仕事が変わればそのたびにマイナンバーの提出が義務付けられます。非正規雇用やアルバイトで働く人、様々な相手から報酬を受け取る自営業の人などは、多くの企業や個人に自らの番号を知らせることになります。また、めったに使うことのない人にとって、番号と暗証番号の管理も新たな問題を引き起こしかねません。

中小企業にとってもメリットはほとんどありません。事業主は、従業員や扶養家族のマイナンバーを収集し、番号の保管、情報漏えいの防止、担当者の配置などを行わなければなりません。退職した従業員の番号の保管・管理も7年間しなくてはなりません。零細事業主にとっては大きな負担ですが、費用の補助など実施しないというのが政府の方針です。

政府は、マイナンバー導入で各種行政手続等の手間が省けて便利になると盛んに宣伝していますが、マイナンバーにより、所得捕捉や他の行政実務との照会がやりやすくするというのは、これらはもっぱら行政サイドの利便性であり、納税者や事業主に特段のメリットはありません。

 

マイナンバー制度導入の最大の狙いは、国民の収入・財産の実態を政府がつかみ、税・保険料の徴収強化と社会保障の給付削減を押し付けることです。

社会保障と税の共通番号導入を、早くから提唱してきたのは財界です。共通番号導入によって個人からの税・保険料徴収を強化するとともに各人が収めた税・保険料額と各人が受けている年金や医療の給付額を対照できるようにし、“給付に見合った負担“、”負担に見合った給付“の名で負担増・給付削減を推進する、それにより、社会保障にかかる国の財政負担、大企業の税、保険料負担を軽減するというのが、財界の主張です。(04年9月、日経連「社会保障制度等の一体改革に向けて」)

 

外国においても、共通番号制度を導入している国はあります。代表的なのはアメリカ、韓国、スウェーデンが日本でよく紹介されています。

米国は、番号を取得することは任意ですが、あらゆる場面で提示・提供が求められるので、社会保障番号がなければ不便でもあり、半強制的に共通番号が社会に広がった側面があります。

韓国では、スパイ対策として80年代に常時携帯をさせた歴史があり、官民で本人確認や利用が行われ、共通番号として広く普及した経緯があります。

両国では、共通番号と個人情報がセットで大量流出し、プライバシー侵害、犯罪利用、なりすまし被害が横行して社会問題化しています。米国では、国防総省職員には異なる識別番号を導入したり、州法により利用規制が始まっています。

韓国も利用範囲を限定する法規制が行われ、共通版の利用を見直す動きが強まっています。

これらのマイナンバー先行国での問題点は、①IT先進国と言われる国の政府機関や大企業でも情報漏えいを防げていないこと。  ②共通番号の官民利用の推進は、情報を取り扱う人、場所が増え、不正利用や情報漏えいの危険が高まること。 ③民間で普及した制度は問題が生じてもすぐに中止したり見直すことが困難、などが言われています。これらの点は日本でも起こりうることです。

ドイツでは、行政分野別の番号制度の下で個人情報が統合されないことになっており、共通番号制度が「人間の尊厳」「人格権」を侵害する制度だと認識されています。

フランスでは、国民登録番号を分野をまたいで利用すると、同番号をキーとして国民の情報がすべて見られてしまうリスクがあるとして、市民的自由とプライバシーを重視する立場から分野別番号制度となっています。

イギリスは、06年に国民ID登録簿と国民IDカード法を制定しました。しかし、10年に広範な反対運動で廃止になりました。

 

日本では、今年6月に日本年金機構から125万件に上る膨大な個人情報が流出したことが発覚し大問題になっています。今回の個人情報流出事件は、年金機構のような公的な機関がマイナンバーを保有するから大丈夫だという『安全神話』を根底から突き崩しました。

大量の個人情報を保有し、一定のセキュリティ対策を講じていたとされていた日本年金機構から、大量の個人情報が流出したことは、改めて、個人情報を保有する機関のセキュリティ対策の限界を知ることになりました。とりわけ、多様で大量の個人情報を保有し、それらの個人番号を附番することが求められている地方自治体のセキュリティ対策の点検は急務です。

マイナンバーが附番された個人情報を保護する措置の一つとして、特定個人情報保護評価が、マイナンバー法により設けられています。

しかし、この原則はすでにゆがめられ、全国の約半数の自治体では、システム改修を行う前には特定個人情報保護評価を行っておらず、改修後に行ったとされています。

国は、10月には個人番号付与通知を何が何でも出すことを優先し、個人情報保護のための手続きを後回ししてもよいとしているのです。

原則をゆがめる経過措置の存在に加えて、自治体が行う特定個人情報保護評価には、第三者機関によるチェックが制度化されていないという根本的な欠陥が存在します。

個人情報が多く付与されればされるほど、利用価値は増します。この情報を手に入れようとする力も強く働きます。サイバー攻撃を完全に防ぎきる手立ては不可能です。また、この情報に接することができる人に対した、情報を不正に流出することでお金にする誘惑も多くなります。ベネッセの情報流出は記憶に新しいことです。

堺市では今月68万件の情報が持ち出され、一部が流出する事件がおきたばかりです。

情報流出へのリスクへの懸念が解消されない中での、マイナンバー制度実施への前のめりの姿勢はとても危険です。したがって、国民にとってのメリットがほとんどない中、番号流出の危険や莫大な費用負担を強いるマイナンバー制度に関係する条例には賛成できません。

また、住民基本台帳カードのコンビニ活用についても、住民の個人情報漏えいのリスクは本質的には同じようにあるので、この条例も反対いたします。

 

議員各位の賛同を賜りますようにお願いして討論を終えます。

 

 

(資料) 2015年9月議会 陳情に対する討論 林潤(9/24)

15年10月6日

 

●動画(インターネット視聴)はこちら http://www.okayama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=577 (開始から1時間1分ごろ~1時間21分ごろまで)

●質問原稿(PDF)はこちら 20150924 討論・陳情(林)

●全文は以下をご覧ください

 

日本共産党岡山市議団の林潤です。

会派を代表して、陳情18号安全保障関連法案の慎重な審議を求める意見書の提出について、及び陳情第20号「平和安全法制」に対し、その慎重審議を要請する意見書の提出について、について委員会報告に反対し、採択すべきとの立場で討論します。

いずれも安全保障関連法案、私たちはその内容から戦争法案と呼んでいます、について国会での慎重審議を求めるものです。

各地の地方議会で180を超える慎重審議を求める意見書が採択されています。廃案を求める意見書も140を超えています。近隣では瀬戸内市で議員発議の慎重審議を求める意見書が採択されています。

こうした地方議会の意見表明が相次ぐ中、参議院特別委員会では18日に、参院本会議では19日未明に強引な採決が行われてしまいました。

採決されてしまった法案について慎重審議を求めることになり、がっかりしたり今さらという気がしたりするかもしれないと思いましたが、今は全くそんな思いにはなっていません。

このままでは終わらない、立憲主義と民主主義を取り戻そう、という諦めない市民の声が聞こえてくるからです。

参議院での審議と採決の状況を振り返ってみたいと思います。

参議院特別委員会での「採決」の様子は私も中継を見ていました。

鴻池委員長が何を言っているのかテレビ中継からは分からず、現場にいるレポーターも状況を把握できず「採決されたとみられます」とアナウンスする始末でした。

見ていると委員長席付近の与党委員が大きく手を振り「立ち上がれ」と指示をし、それに応じて賛成する委員が立ち上がっていました。

議事録には「聴取不能」と記録されています。

何を言われているかも分からないのに身振り手振りに従って立ったり座ったりする国会議員達によって「可決」されたということです。

採決までの過程を見ても審議は足りていません。

中央公聴会と地方公聴会を受けての審議は不十分どころかそもそも行われませんでした。

地方公聴会の公募には過去最高の17人をはるかに超える95人が応募し、全員が反対の立場でした。国民の高い関心と反対を訴えたいとの思いが表れていました。

その地方公聴会には参院特別委員会の委員の半分以下しか参加していませんでした。公述人から出された意見を委員に周知することは行われませんでした。公述人の意見に基づく議論を行わないままでの採決では公聴会がセレモニーと批判されるのも当然です。

公聴会に出された意見ばかりでなく他にも委員が求めた資料が未提出のままでした。与党が次世代の党、日本を元気にする会、新党改革と合意したとされる改正案の説明もなされませんでした。

そのような状態で採決を行うとは議会人としてありえないことです。

まさに「慎重審議」が必要でした。

国会でこのような採決を行ったこと自体に対する抗議の意思表示として慎重審議を求める陳情は採択すべきです。

 

今国会で可決された戦争法案は11の法律の総称です。

1.自衛隊法

2.国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律

3.重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律

4.重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律

5.武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和及び独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

6.武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律

7.武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律

8.武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律

9.武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律

10.国家安全保障会議設置法

11.国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力

支援活動等に関する法律

1から10番目は法改正で11番目が新規制定です。

これらの国のあり方に関わる11本もの法案を一括で提案しておいて審議時間の目安を重要法案一本分の100時間程度とすることが最初から不十分です。

 

私たちは国民の生命、財産は守らなくてはならないと考えています。

憲法九条と現行の法制度の下で歴代内閣は個別的自衛権を認め、急迫不正の侵害に対しては自衛の手段を行使するとしてきました。

私たちも安全保障のあり方として今すぐの自衛隊の廃止は求めてはいませんし、個別的自衛権は行使できると考えています。集団的自衛権の行使を禁ずることは自国防衛の否定ではありません。

集団的自衛権を行使するための戦争法案は日本が攻撃を受けていないのにアメリカの戦争に加担する法案です。

日本を攻撃していない国への攻撃に加わることは相手にとっては日本から先に攻撃を受けたことになり日本への反撃の口実を与えるものです。戦争しないための法案などではあり得ません。だから戦争法案と呼んでいます。

与党は、新三要件で厳密な歯止めを掛けていると言いますが、新三要件には「内閣が存立危機事態だと判断すれば、よその戦争に首を突っ込みますよ」と書いてあるだけです。存立危機事態の定義はあいまいで判断は内閣任せです。武力行使にあたって必要最小限度の定義もありません。歯止めでも何でもありません。

国会の例外なき事前承認は新規制定の国際平和支援法のみです。

既存の法律の改正である自衛隊法、重要影響事態安全確保法、国際平和協力法、船舶検査活動法には国会の事後承認が認められています。

与党と次世代の党、日本を元気にする会、新党改革との合意による附帯決議で「例外なき国会承認」が追加されたのはホルムズ海峡での機雷掃海です。法的拘束力を持たせるための法律本文の修正は行われず、機雷掃海は政府も現実味に乏しいことを認めた活動であり実質的に意味がありません。

戦争法は、出発点の集団的自衛権の行使容認の定義が曖昧であり、戦後最長の会期延長をした国会審議でも政府の説明は国民を納得させることができませんでした。

集団的自衛権の行使を容認する際に安倍首相は日本人の女性や子どもお年寄りを運んでいるアメリカの軍艦の絵を示して「日本人を守るためだ」と言いました。ところが参議院の審議で日本人が乗船していなくてもアメリカの軍艦を守ることが明らかになりました。

安倍首相が自衛隊の活動として示していたホルムズ海峡の機雷封鎖は危険性が遠のきました。

発生の仕組みも広がる仕組みも全く異なる戦争と火事を同列に扱った安倍首相の説明はかえって批判を広げました。

9月14日の参院特別委員会では自民党の佐藤委員、通称ひげの隊長が中国の軍事力について脅威をあおる質問をしていました。その時も中国に日本を攻撃する意図があるとは言えませんでした。防衛省も中国からの侵略の可能性について答弁できません。

それに他国の軍備をあれこれ挙げて「だから我が方も備えを強化すべき」というのは冷戦時代の軍拡競争の論理です。抜け出さなくてはならない考え方です。

感情的に危機を訴えても自衛隊員に血を流させなくてはならない具体例となると示すことができないのが安倍内閣の答弁です。

海外で自衛隊が戦って戦死者が出るようになると志願者が減り徴兵制に繋がるとの危惧もあります。

それに対して、安倍首相は憲法18条で奴隷的拘束や意に反する苦役が禁じられているから徴兵制はありえない、と言います。

集団的自衛権の行使も従来、憲法で禁じられていると歴代政府が言ってきたことです。9条の解釈を変更した内閣が18条の解釈を変えない保障はありません。

たとえ徴兵制が敷かれなくても経済的徴兵制とも言われる仕組みが強化される可能性があります。

アメリカでは貧困層、特に移民が教育支援や医療支援、市民権につられて軍隊に志願しています。

2003年5月3日に出版されたYomiuriWeekly臨時増刊『イラク解放 完全ドキュメント』という本があります。

イラク攻撃を行った米軍を強くて格好いいイラク国民を解放した正義の味方のように描いています。とても戦争の実態を伝えているとは言えない雑誌ですが、それでも軍隊の現実をいくらか描写しています。

兵士の入隊動機を書いている章で、仕事がない移民が就職に有利な市民権の取得をしやすいように、と志願したり、貧困層が医療や教育の支援につられて入隊したりしていることが書かれています。

日本でも派遣法が改悪され、高等教育には高い費用が掛かります。非正規雇用や高学費を放置し、誘導策を採れば「貧困から抜け出すチャンスになる」と考える人たちを自衛隊に誘い込むことができます。

経済的に苦労している人達に対して「あなた達が自衛隊で命を賭けてね。生きて帰れたら高校や大学に行けるかもよ。」と言う国になります。

国全体の仕組みとして戦争する国になることへの不安を安倍内閣は払拭できていません。

こうした問題点を含む法案に対して、党派を超えて広範な国民から不安と反対の声が上げられています。岡山市でも野党共同の街頭演説が何回も行われました。

大規模なデモや集会、国会議員への申し入れ、ファックスやメールでの意見表明も広がりました。

国会議員はこの声を聞くべきでした。

確かにデモに何人集まったら、署名が何筆集まったら法案の可否を決めなくてはならないという手続きではありません。しかし選挙から選挙までの間の民意を示すものです。それを反映するのが国会議員の役割です。

国民の前で議論して、理解と納得が得られたものを法律として制定するために国会での審議があるのです。

特に今回の戦争法は先の参議院選挙と総選挙での与党の国会多数を理由に進めていいものではありません。

自民党の2014年総選挙「重点政策集」を振り返ってみると、冒頭で図表で説明しながら主要政策として押し出しているのは「アベノミクス」、次いで「経済再生」「地方創生」「女性活躍」「財政再建」です。まったく安保法制・戦争法案には触れていません。

26ページ、2万6千字に及ぶ重点政策集で安全保障法制について記述しているのは24ページ目の123文字です。しかも政策集には法案の条文も何も具体的なことは書いてありません。

総選挙の比例での自民党の得票は有権者の17%です。投票した人の中でも政党支持に直結する比例の得票は3割なのに6割の議席を得ています。この選挙結果と安保法制を隠した公約での選挙から「戦争法案は選挙で支持されている」という民意をこじつけることは無理があります。

だから改憲や自衛隊の活動拡大に賛成する人達からも反対の声が上がっているのです。

戦争法に賛成する人達は口を開けば「安全保障環境が変わった」と言います。

どう変わっているでしょうか。

70年に渡って敵対してきたアメリカとキューバは核戦争の危機さえありました。その2国が国交を回復し相互に大使館を設置しました。

イランは核査察で国際社会と合意し、ホルムズ海峡の機雷封鎖は現実味を失いました。

アメリカと中国は牽制しあいながらも対話を欠かさず、アメリカ軍と中国軍の共同訓練も行っています。

北朝鮮は韓国との間で準戦時状態を宣言し緊張が高まりましたが、交渉で戦争は回避されました。韓国は自国の兵士に怪我人が出ても戦争には突入しませんでした。

南沙諸島を巡る南シナ海の情勢についてASEANと中国との間で合意した東シナ海の領有権争いを抑止するための枠組みとして南シナ海行動宣言があり、さらに法的拘束力を持つ行動規範にしていこうとの動きがあります。

世界の情勢には戦争回避の強い動きがあります。

その世界で憲法9条を持つ日本は武力に頼らない国際関係を築く先頭に立つべきです。

安全保障環境の変化の例としてテロ攻撃やサイバー攻撃の危険性が叫ばれています。

確かに日本対外国の戦争よりもありそうなのはテロ攻撃です。しかし軍隊でテロは防げません。

自爆攻撃をするような勢力には抑止力など意味はありません。軍事対応をすればするほど頻発するのがテロ攻撃です。

日本は今まで武力で攻めてこないから「攻撃する必要が無い国」でした。それがアメリカの戦争を支援したら「敵を助けるものは敵」になってしまいます。

第170回国会の外交防衛委員会に参考人として招致されたペシャワール会の中村哲医師、アフガニスタン・パキスタンの紛争地帯で現地の人達が農業で生活していけるように長年に渡って支援をされている方です、が次のように語っています。

「さらに、対日感情につきましても、これは少しずつ陰りが見えてきておるということは私は是非伝えておく必要があると。かつて広島、長崎というのは現地では有名でありまして、アフガン人の知識人のほとんどは、アフガニスタンの独立と日本の独立が同じ日だというふうに信じている人が多いくらい親日的なんですね。ところが、最近に至りまして、米国の軍事活動に協力しているということがだんだん知れ渡ってくるにつれて、私たちも身辺に危険を感じるようになりました。

やはり、あの最も親しいと思っていた日本が同胞を殺すのかと思えばこれは面白くないわけでありまして、これは日々日本に対する感情は悪くなっているということははっきり言ってもいいんじゃないかと思います。かつては、我々、外国人、欧米人と間違えられないために日の丸を付けておれば、まず山の中のどこに行っても安全だった。ところが、今その日の丸を消さざるを得ないという状況に立ち入っているというのが現実であります。」

紛争地帯での人道支援に携わる人達から同様の声が上げられています。

アメリカの戦争の支援をすれば、抑止力にもならないばかりか敵を作るのが戦争法です。

サイバー攻撃を防ぐのは海外での武力行使ではなくコンピューター技術です。

このような戦争法案に対して、圧倒的多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、元最高裁判所長官を含むかつてない広範な人々から批判が集中しました。

8月30日には国会前に12万人、全国で100万人とも言われる人達が街頭に出て戦争法案反対を訴えました。

14日には国会前に4万5千人もが集まりました。岡山市では12日には1000人を超えるデモ隊が桃太郎通りを歩き、15日には岡山市中区だけで150人がデモ行進をしました。

岡山でもどこでも主催者の想定を上回る参加者が集まっています。私たちが街頭で訴えていると家の中で聞きつけた人がやってきて「私にも言わせて欲しい」とマイクを握って戦争法案反対を訴えたこともあります。

国民の間に「私たち自身が主権者だ」「今、黙ってはいられない」との思いが広がっています。

これらの運動や発言は、単に戦争する国への危機感だけではありません。政治について調べて考え、自ら行動し、政治家の言動をチェックし、いいと思うことを応援し駄目なものにノーを言うという民主主義の精神の実践です。それがかつてなく広がっています。

法が成立すると諦めムードが流れがちですが、この件については成立後の世論調査でも成立を支持しない意見が多数です。

日本共産党はこれらの声を受けて戦争法(安保法制)を廃止するための国民連合政府を樹立することを提案しました。

戦争法を白紙に戻すためには廃止法案の議決と集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回が必要です。その二つを任務とする政府を作るために戦争法反対の一点での大胆な連携と協力を呼び掛けています。

戦争法への反対の根本にある平和憲法が日本の中に芽生えていた民主主義の考え方を取り込んだ先進的な内容を持っていて、押し付けられたとは言えないことは2月議会の質問で述べました。

今日は手続きについて触れたいと思います。

現行憲法は帝国議会で大日本帝国憲法を改正する手続きを経て定められました。

憲法改正案の提案者となったのは後に自民党に入った吉田茂首相でした。

国会審議で政府案にいくつかの修正が加えられました。国民主権の原則を明確にしたこと、戦力の不保持を定めた第9条第2項に「前項の目的を達するため」という文言を挿入したこと、生存権の規定を追加したことなど10以上の項目があります。

日本の国会で議論し修正された内容も制定過程も日本国民の憲法です。アメリカに押し付けられた憲法だ、などと自虐的になる必要は全くありません。

その憲法に違反する戦争法を認めることはできません。

私たちとしては審議を尽くせばますます法案の問題点が明らかになり、廃案にすべきことが明白になると考えていました。

反対に、国民の理解が不十分と認める安倍内閣の立場からしても理解を得るためには更なる審議をすべきでした。

国会のあり方に警鐘を鳴らす意思表示をするためにも慎重審議を求める意見書の提出を求める陳情は採択すべきです。

以上、理由を申し述べました。議員各位の賛同を賜りますようお願い申し上げまして、討論を終わります。