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日本共産党 岡山市議団

9月 14th, 2016

林じゅん議員の個人質問は15(木)午前10時から

16年09月14日

傍聴案内(2016.09月 個人)

 

明日15日の個人質問は、朝10時からの1番手に林じゅん議員が立ちます。

教育、マイナンバー、回遊性と景観づくりの3テーマで論戦します。

 

明日は天候が心配されますが、可能な方はぜひ議場で傍聴してみてください。

また、パソコンやスマートフォンの岡山市議会インターネット中継や、午後6時からのケーブルテレビoniの録画放送でもご覧いただくことができます。

 

教育のテーマでは、学校現場にスクールソーシャルワーカーを抜本配置して子どもや家庭支援を強めることや、学力テストの課題を踏まえた上での学ぶ力向上の問題、エアコン設置などの学習環境整備などを問います。

マイナンバーのテーマでは、さまざまな角度から実態を明らかにして、利便性より危険性を直視すべきと求めます。

回遊性と景観づくりのテーマでは、回遊性向上には街の景観をどう形づくるかという視点も重要であることから、市の考えと方向性をただします。

 

ぜひご覧ください。

「子どもや高齢者の立場で施策の具体化を」 9/14竹永みつえ個人質問

16年09月14日

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岡山市議会9月定例会の個人質問で、14日の3番目に登壇した竹永みつえ議員は、子どもの貧困対策と介護保険関係で質問しました。

子どもの貧困対策問題では、岡山市が子どもの貧困対策に全庁的に取り組む対策会議を発足させたことを評価したうえで、市としてどう具体的に取り組むのかという問題意識で論戦しました。

竹永議員は、児童扶養手当などの受給状況、高校中退の実態、早期や若年の出産、子どもの歯に関する状況などをあげて、「市として具体的な指標を持ったうえで情報収集し、方向性を持って分析すべき、そのためにも基本計画や条例などを持つべきではないか」と質問しました。

当局からは、「国の大綱などが示す4つの柱に沿って、対策本部の中にプロジェクトチームを設けてやっていく」などの答弁がありました。

また、兵庫県明石市の市長が市のすべての子どもを対象に「明石の子は全体で育てる」と保育料第2子から無料化、子ども医療費中学校まで無料などの具体施策を進め、「若い子育て世帯が明石に転居したら、それだけで年収70万円アップに相当」などとして、子育て世代が集まっていることなどを紹介し、大森市長の所見を問いました。

大森市長は、明石市長とは大学の同窓で親しいということを紹介し、「子どもを大切にする姿勢には共感」とする一方、「ただし『無料化』にはいくつかの疑問持っている、行政にはバランス必要、子ども医療費などある程度の負担はいるのではないか」などと述べました。

竹永議員はまた、市内でも広がりつつある子ども食堂のとりくみを取り上げ、福岡市が助成制度制度を設けたことを紹介して、岡山市でも是非と求めました。当局は「必要性や官民の役割分担などを考えながら検討する」などと答弁しました。

 

介護保険制度で竹永議員は、来年4月から始まる予定の新しい総合事業の準備や周知の状況、国の相次ぐ制度改悪による負担増の問題などで、市の考えをただしました。

新しい総合事業では、緩和型サービス(※)について、従来よりサービス時間が減る分を自費のサービスを設けた場合に利用者が使えるのかとか、利用者の送迎について従来同様にドアツードアでやれるのかどうかなどをただすと、当局は「細かい基準や詳細はこれから詰めて、でき次第、事業所に説明する」と答弁し、実施半年前になってもまだ詳細を決定できてない状況が明らかになりました。今月には事業者向けや市民向けの説明会が開催されますが、みなさんの不安や心配にどれだけこたえることができるのか、とても懸念される準備状況です。

また、その説明会については、竹永議員が「この間の相次ぐ改変ではいつも激変を実感してから『知らなかった』という声が市民から上がる、今度の新しい総合事業は介護保険制度導入時のような丁寧できめ細かい周知が必要なのでは」として、地域ケア会議や連合町内会など細かい単位での説明会開催を求めましたが、「各福祉区単位で1回やる、その他はさまざまな機会捉えて説明に努める」と、これも事業開始に不安を抱かせる答弁に終始しました。

竹永議員は、「総合事業成功のカギは中長期の将来を見据えた地域づくりだ」と指摘しています。地域ごとの支え合いの体制をしっかりつくることと合わせて、制度への疑問や不安ついて、事業者や市民のみなさんから「●●は実際どうなるのか?」などの声を挙げていただき、しっかりしたスタートが切れるようにすることが重要です。

※緩和型サービス=介護保険制度の改定の1つで、要支援1・2の利用者が従来の介護保険サービスから基本的に除外され、自治体が設計する独自サービスに移行したもの

相次ぐ制度改悪による負担増問題について竹永議員は、市内の特別養護老人ホームを利用している90歳近いご夫婦の事例を具体的に示して、市の認識と対策を問いましたが、「詳細は把握していないが、利用者伸び率を見る限り、顕著な影響は見られない」などと、市民の実態を見ない態度でした。

 

市は、いずれのテーマでも具体的な施策の話題になると「国の動向を注視」と繰り返したり、先進自治体の具体施策についてもあれこれの課題をあげて否定的な答弁をするなど、岡山市として主体性を持って具体策を立案したり、実施したりすることには消極的なことが浮き彫りになりました。

 

引き続き、市民の暮らしの実態や実感を具体的に示して、なによりも子どもや高齢者の立場に立った行政運営を実現させることが大切です。

 

【資料 質問原稿】 2016年9月議会 竹永光恵 個人質問原稿(全文)

16年09月14日

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竹永光恵 個人質問原稿(160914)

 

1 子どもの貧困対策について

(1)市として子どもの貧困の実態をつかむこと

岡山市も子どもの貧困対策推進本部が立ち上がりました。子どもの貧困対策法や大綱に位置づけられた、各自治体の状況に合わせて、具体的な対策をすることにむけての第一歩がやっとスタートしました。私も第1回の本部会議を傍聴しました。会議ではまず、各部署で持っている行政情報を収集することが提案されました。市長もそれらを全部出し合って精査したいとの立場を表明されています。

ア 立教大学の浅井春夫教授は、貧困をなくす処方箋として、職の保障、学習権・進学権の保障、経済的保障、労働生活への連結をあげ乳幼児期の早期アプローチが重要と言われています。対策本部をそういう専門部会に分けて具体的調査分析をしてはどうですか?

イ まず人口推計は必要だと思いますが、年齢ごと、世帯ごと、所得との関連、10年、20年前と比べてどうなのか?具体的な指標がいるのではないでしょうか?

ウ 児童扶養手当、特別児童扶養手当の受給状況、就学援助の受給状況も10年、20年前等との比較がいるのではないか?

エ 中学卒業後の高校中退や定時制などの実態はつかめますか?

オ 早期出産(37週未満)や若年齢出産と貧困との関連性はどうお考えか?

カ 歯科検診、虫歯の状況、未処置の状況などはどうでしょうか?

キ 学校医による健康診断のデータは全体的に共有できますか?

ク データや情報の共有後、有識者に検討、分析してもらうとのことですが、市としての考え方、目標など方向性がないと中途半端な分析になるのではないか?

ケ そのためにも基本計画、条例などが必要では?

 

(2)数字に表れない隠れた貧困にどう向き合うのか?

具体的なデーターは持ち寄れるとは思いますが、今、問題になっているのは隠れた貧困です。きれいな服を着ていて、スマホを持っていても何日もご飯を食べていないという子どもたちもいるのが実態です。

沖縄県は貧困の見える化のために当事者である小学校1年の保護者、5年の保護者と児童、中学二年生の保護者と生徒のアンケート調査をおこなっています。

保護者へは家族の構成、就労状況、勤務実態、地域との関係、この1年衣料品や食料品を買えなかった実態があるか?ライフラインの停止があったかなど生活実態が見える設問をしています。児童生徒には学校生活、友人関係、食生活などを聞 いています。

よりリアルな実態と必要不可欠な情報の分析とで既存施策の検証や課題の整理ができ、打つべき施策が見えたと言われています。

ア 岡山市でもこういうアンケートをするべきだとかんがえます。いかがでしょうか?

イ 市の窓口に相談に来て隠れた貧困を見つける場合もあります。足立区のように「つなぐ」シートで全庁的につながれる相談事業にしてはどうか?

 

(3)子ども食堂について

ア 西大寺でも地元の有志16人がサポーターとなり子ども食堂が開設されました。毎回20人から30人の子どもたちが訪れ「みんなで食べるとおいしいね」と好評です。市内での子ども食堂の開設状況を把握されていますか?

イ どこも継続することの困難さをのべています、継続のための市の援助機関はどこでしょうか?

ウ 子ども食堂への補助金制度をつくりませんか?

 

(4)子どもの対策の先進地、明石市に学ぶ

「お金の心配なく子どもを産み育てられる環境を、明石の子は社会全体で育てコストは社会が負担する」という市長の理念のもと、対象者を固定せず、中学生までの医療費無料化、第2子以降の保育料完全無料化、離婚時の養育費など合意書作りの支援などユニークな施策を展開しています。

ア 貧困対策で貧困は解決しない、明石市は子どもを後回しにしないという明石市長の姿勢に市長はどういう感想をもちますか?

イ 児童扶養手当を希望すれば毎月支給に移行できる方式を来年1月から実施するとのことです。岡山市でもとりいれませんか?

 

 

 

2 介護保険制度について

(1)総合事業について

来年度からの総合事業移行にむけて準備がすすめられています。事業所向け、市民向けの説明会が行われているところです。

ア 今、計画している説明会ですべて終了なのでしょうか?事業者向けの説明会は1回だけです。それでケアマネージャーが相手の立場に寄り添ったプランが立てられるのでしょうか?

イ 地域ケア会議単位や連合町内会単位など狭い範囲でのきめ細かい説明会をする予定はないのか?

ウ 緩和型サービスに参加する事業所は事前アンケートでは6割くらいでしたが、その状況は変わらないのでしょうか?

エ 緩和型サービスを行う事業者が収入減に対応するためには数をこなさなければなりません。送迎のやりくりだけでも大変になります。事業者へのアドバイスや支援は何かお考えか?

オ 緩和型を選んだ高齢者も、今よりサービスを受ける時間が減ってしまいます。地域サロン等とくみあわせることができますか?

カ 地域の支えあいの体制作りはいつまでにどう行おうとしているのか?例えば、支え合い推進員や、協議会など具体的にお答えください。

キ 総合事業の成功のカギは10年後、20年後を見据えた地域づくりと言われています。どうお考えか?

ク 様々な連携が必要です。第6期計画の進捗状況と第7期計画の策定のための庁内組織での議論と、専門職、地域の方、大学、NPOなどあらゆる方と連携ができる組織の両方での議論の必要性があると思うが、いかがか?

 

(2)負担増について

2015年の介護保険改定で利用者の経済的な負担が増して介護保険サービスを控えるケースが生じていると「認知症の人と家族の会」が会員調査で明らかになったと発表しています。2015年の改訂で一定の所得のある人は2割負担となっており回答者の4分の1が該当しているとのこと。中にはデイサービスやショートステイの利用回数を減らしているとの深刻な報告です。また今年8月から食費や居住費の補足給付の収入算定が強化され遺族年金、障害年金が収入に加えられ月三万円以上の負担が増えた人が全国的に15万人ともいわれています。

ア 今年8月の改訂の影響は施設入所者で1129人だとの答弁がありました。昨年8月の改定も含むと影響のある方はまだ多いと思います。そういう方々がどういう状況なのか把握していますか? 補足給付が受けられなくなり個室から多床室に移った方、施設をでた方など把握していますか?

 

高齢者虐待で岡山市からある特養に措置入院となったKさんご夫婦は、認知症もあり困難なケースです。入居した当時は夫の年金所得が高い方で保険料段階は第4段階、妻は非課税で2段階でした。しかし今回の改定で2人とも4段階となり、今のままでは個室ユニットのこの特養に暮らし続けることが出来なくなる、離婚するか、多床室のある特養にいかなければならないと後見人が困っているとの相談を受けました。

市が虐待で措置入院させたのだから市が責任を持ってほしいという施設側の要求に、「もう措置期間は終了している」との冷たい対応でした。そして地域包括の窓口に行っても、離婚か、施設を変わるかの究極の選択しかないとのことでした。

しかし、施設の相談員が「課税世帯における特例減額措置の制度」があることをみつけてきて、施設入所者の食費、居住費を負担した結果、もう一方の配偶者の生計が困難になる場合に減額となるというこの制度が使えることになり今までどおりこの施設での暮らしを保障することができることになりました。

イ 制度の徹底を各窓口にもするべきではないか?

ウ 今回のケースで、そこに暮らす高齢者に寄り添う相談体制が市としてどうだったのか?所見を。

エ 負担増で大変な実態の方々に制度を周知することと、丁寧に相談に乗ることが重要です。どこで責任を持って相談をうけるのでしょうか?