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日本共産党 岡山市議団

12月 15th, 2016

【資料】 2016年11月議会 議案討論原稿 林潤(161215)

16年12月15日

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討論原稿 議案 林潤(161215)

 

 

日本共産党岡山市議団の林潤です。

本議会に上程された議案について委員長報告60件のうち、甲第224号議案 岡山市一般会計補正予算(第3号)について、党市議団を代表して委員長報告に反対の立場で討論します。この議案は可決すべきではありません。

甲第224号議案 岡山市一般会計補正予算(第3号)中、歳入第23款市債第1項市債第3目民生費の児童福祉債88,200千円、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第16目認定こども園費98,000千円、繰越明許費補正中98,000千円は、今幼稚園、鹿田幼稚園、鹿田保育園を認定こども園として整備しようとするものです。

 

児童福祉法第24条で、「市町村は、保育を必要とする場合において、児童を保育所において保育しなければならない。」

とあり、自治体の保育所での保育義務を定めています。

しかし条文中に認定こども園を除く規定があり、認定こども園については「必要な保育を確保するための措置を講じなければならない。」とあるだけで自治体に保育の義務が課されていません。

認定こども園の推進は、待機児童がいる下での保育の公的責任の後退につながります。

また認定こども園になることのメリットとして市が挙げているものもミスリードと欺瞞があります。

鹿田保育園と鹿田幼稚園ではあわせて300人ほどの子どもが生活しています。

施設が大きすぎると子どもの状況の把握に支障を来す恐れがあり、そうそう大きくできるわけではありません。

待機児解消に直結するのは保育園の増設であり、保育園と幼稚園の統合による認定こども園の推進ではありません。

幼稚園から認定こども園への移行によるメリットもいい加減です。

 

市は【幼稚園からこども園に移行するメリット】として

○保護者の就労等に関わらず、小学校就学まで同じクラスで共同生活できる

○地域の子育て支援充実(法的義務)

○充実した職員配置

○保育室、遊戯室等にエアコン設置

○自家用自動車での送迎も可

○一時預かりの実施

○給食の実施

を挙げています。

 

就労で1号と2号を行き来する保護者のニーズは正確につかめていませんし、1号認定の子どもは昼で帰り夏休みがある、2号認定の子どもはそうではない、といった生活の違いの問題があります。共同生活をさせたい、というたくさんの強い要望はありません。

全市的に制度変更をする理由になりません。

地域の子育て支援については、幼稚園も園庭開放や子育て広場を行っています。認定こども園は法的に義務づけられるといっても内容は定まっていません。

幼稚園は担任だけで子どもを見るが、認定こども園はローテーションで複数の職員が関わることになる、加配もある、と言いますが、幼稚園の体制が不十分だというなら放置することが問題ですし、ローテーションや加配は基準に応じて必要だからやっているだけで、優遇して余裕を持たせるために行うことではありません。

エアコンは、長時間過ごし夏休みもない、という必要上で設置されてきたもので特別に優遇するために設置されるものではありません。

自動車の送迎は駐車場の有無と教育方針によるものです。保育園でも小さい駐車場のやりくりに保護者が交代で交通当番をしたり、保護者負担で駐車場を借りていたり、苦労しています。認定こども園になったからといって駐車場が沸いて出てくるわけではありません。

一時預かりや給食は幼稚園でもすればいいことをしていないだけです。

メリットとして挙げているものは単なる変化であり、メリットからは削除すべきです。

先に述べたように法的な位置づけの変更は問題です。

よってこの予算に反対です。

 

歳出第10款教育費第1項教育総務費第5目事務局費に頑張る学校応援事業の7,000千円が含まれています。

事業の発想とお金の使い方に問題があります。

まずは事業の発想です。

行政が教育のためにすべきことは、子どもたちがのびのびと学び、教職員が子どもたちと向き合い、教育に専念できる環境を整えることです。

ご褒美を示して「さあ、頑張れ!」とはっぱを掛けることではありません。

そもそも「頑張った」という評価が不適切です。どの学校も頑張っています。

今回で3回目、21の学校と学区が対象になりましたが、他との違いや進んでいると認定された取り組みがどう広がったかも検証されていません。

 

もう一つは、お金の使い方の不公平さです。

100万円をもらえていない学校が頑張っていないわけではありません。

またもらえたところも、児童数が290人あまりの学校にも100万円、児童生徒数が2800人を超える中学校区にも100万円です。

一人あたりに換算すると約3400円と約360円と大きな違いがあります。

使途はタブレットなどのIT機器が多いですが、物に変えても一人あたりの差があることに違いはありません。

もし本当に有用で必要な物ならば、予算化して公平に整備すべきです。全校、全学区に100万円ずつ配ればいいものではありません。

発想も使途も問題だらけです。学校や学区に配るくらいなら、せめて教育委員会として全体的な使い方を考えるべきです。

よってこの予算に反対です。

以上、委員長報告に反対する理由を申し述べました。

議員各位の賛同を賜りますよう、お願いいたします。

 

【資料】 2016年11月議会 陳情討論原稿 田中のぞみ(161215)

16年12月15日

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討論(陳情) 田中のぞみ161215

 

日本共産党岡山市議団を代表して、陳情第35号、第36号、第37号、第38号、第39号の5件について委員会報告に反対の立場で討論します。

 

まず、陳情第36号「すべての原発再稼働と増設の中止を求める意見書の提出について」です。

 

福島第一原発事故から5年と9ヶ月が経ちました。あの時、4つのうち3つの原子炉で核燃料が溶け落ち、3つの原子炉建屋が爆発し、莫大な放射性物質が放出されました。人類史上最も過酷とされる原発事故は、そこに暮らす人々の生活を土台から破壊し、ふるさとを奪いました。今もなお、9万人近い方が避難生活を続けています。

溶け落ちた燃料棒は、5年経った今も建屋のどこにあるかすら判明していません。原子炉格納容器では致死量を超える高い放射線が放出され続け、未だに大量の汚染水を止めることも、出来ていません。

事故収束のめどが立たない中で、この度政府は、福島第一原発の事故に関わる費用についての試算を、当初の2倍の21.5兆円と発表しました。原子炉を廃炉にするだけでも8兆円かかる見通しです。しかし、この費用には大量に出る核廃棄物の最終処理や、今後数千年~数万年にわたって維持・管理するコストは入っていません。なぜなら、その方法や技術が確立していないからです。試算のしようがありません。ゴールの見えない研究費を含めたそのコストが莫大にかかるであろうことは間違いありません。

しかも、廃炉作業は東電が最大値として示す40年では到底足りず、100年単位でかかると指摘されています。廃炉先進国といわれるイギリスで、20年前に始めた小規模原発の廃炉に合計90年必要としている事を見れば妥当です。1基廃炉にするのに100年です。誰が、責任を取れるのでしょうか。

「将来にツケを先送りしない。」よく聞く決めゼリフですが、これ程大きなツケを100年、さらに数千年、数万年も先送りにする、こんな無責任なことはありません。

これは他の全ての原発にも言えることであり、原発を稼働すれば稼働しただけ、処理技術が確立していない使用済み核燃料は増え続けます。今後数万年管理しなければならない、この行き場のない使用済み核燃料は、すでに今も全国の原発のプールに保管されています。そのプールももう8割方埋まってしまっている。プールの水が抜ければ、福島と同じような大事故につながる。これまで知らされることのなかった事実が次々と突きつけられています。

福島第一原発事故を通して私たちが学んだことは、人類は核を完全にコントロールする技術をもっていない、という「事実」です。原子力発電は不完全な技術のまま、見切り発車してしまっていたのです。

この一点だけにおいても、原発を再稼働することがいかに無責任かということを示すには十分だと思います。

 

ましてや我が国は火山大国であり、地震大国です。

現在稼働している鹿児島県の川内原発と愛媛県の伊方原発はいずれも、一連の熊本・大分地震の活断層の延長線上にあります。伊方原発のすぐそばには国内最大級の中央構造線が走っています。

川内原発の周囲には、阿蘇、霧島、雲仙、桜島などの大きな火山が集中しており、鹿児島湾自体も過去の巨大噴火でできたカルデラです。ひとたび噴火が起きれば川内原発も火砕流に襲われることが指摘されています。九州電力は、「噴火を事前に予知して核燃料を搬出する」としていますが、原子炉から取り出した核燃料は少なくとも数年はプールで冷やさなければ搬出できないそうです。数年も前から噴火を予知する技術がないことは周知の事実です。過去に火砕流が到達した可能性があると指摘されている地域には愛媛の伊方原発も含まれます。

これほど活火山や活断層が多く地震の多い小さな島国に、これほど多くの原発が集中していることに世界の人々は驚きます。原発大国アメリカの立地基準をあてはめれば、日本の原発は1つたりとも認められることはありません。あの福島第一原発事故に遭いながらも、新たな日本独自の安全神話までつくりだして、なぜ、再稼働出来るのでしょうか。

 

原発が稼働していなかった期間、電力が足りなかった地域はありません。原発なしで火力発電が増える状況下でもエネルギー部門のCO2削減は進みました。

 

子どもたちや孫たちそして遠い子々孫々に、美しいふるさとを残すために、今私たちに求められているのは、これ以上の核のゴミを遠い未来まで押し付ける事ではなく、英知を集めて原発に代わるエネルギーのあり方を未来にしっかり示す、ということではないでしょうか。

よって、全ての原発再稼働と増設の中止を求める陳情第36号の採択を求めます。

 

 

次に、陳情第37号「『復興加速化指針』の閣議決定による一方的な避難指示解除をやめるよう求める意見書の提出について」と、

陳情第38号「原発事故の被災者に寄り添い、被害の実態に応じた支援・賠償等を求める意見書の提出について」です。

 

政府は、「原子力災害からの福島復興の加速化に向けて」(以下、復興加速化指針)に基づき、避難指示を次々と解除しています。復興加速化指針に示される避難指示解除の条件に、①住民との十分な協議、②追加被曝線量が年間20ミリシーベルト以下、③生活できるインフラが整備されていること、の3要件を満たしていることが挙げられていますが、実際には条件が整わないままの避難指示解除となっています。

昨年9月に避難指示が解除された楢葉町(ならはまち)では、5ヶ月経ってもわずか6%の住民しか戻ることができていません。町内に医療機関は一つも無く、半年経ってようやく診療所が開設されました。生活に欠かせない水も、除染されていない木戸ダムから取水するため広範な住民から不安の声が上がっていますが、特別な対策はありません。荒廃した住宅の解体も半分しか進んでいないため、戻る家もないという状況です。商店も仮設店舗で再開しても住民がいないため、このまま賠償が打ち切られれば経営は困難です。

そもそも年間20ミリシーベルトという基準も途中で20倍に引き上げられた基準であり、帰還への不安が払しょくされないのは当然です。

避難指示が解除されれば、その後1年で月10万円の精神的賠償が打ち切られます。帰還できず避難を継続する人は賠償が打ち切られたままの避難生活を強いられ生活の困窮が深刻化しています。復興とは名ばかりの国の方針はあまりにも一方的です。

 

復興加速化指針では、その10万円の精神的賠償も避難指示の解除にかかわらず再来年の3月で打ち切るとしました。併せて福島県は仮設住宅の入居期間を来年3月までとし、自主避難者への住宅無償提供も来年3月で打ち切るとしています。

また、福島県内の事業者のうち3万8000件が受けている東電による営業損害補償では、その申請内容を東電が一方的に審査し、合意を渋ったり、賠償の打ち切りや値切りをおこなっている事例が次々と報告されています。この問題は国会でも取り上げられ、東電側の判断に何の基準もなかったことが指摘されました。

原発事故さえなければ、ふるさとを奪われることはなかった。原発事故さえなければ生業を続けることができていた。あまりにも多くの人の人生を狂わせたその責任は非常に重い。安全神話を振りまき、安全のための対策をあいまいにしてきたもとで引き起こされた過酷事故の加害者である東電は、その責任の所在を明らかにし、被災者の生活再建に真摯に向き合うべきです。

その東電が賠償責任額に上限を設け、超過分を私たち国民の電気料金に上乗せをすることなど到底受容できるものではありません。

よって、陳情第37号、第38号の採択を求めます。

 

次に、陳情第35号「年金の毎月支給を求める意見書の提出について」です。

これは現在2ヶ月に1度支給されている年金の毎月支給を求めるものです。

私たちも、もし自分だけお給料が2ヶ月に一度しか払われないと想像すれば、やりくりが難しくなることを容易に想像できるのではないでしょうか。

私たちの生活サイクルは多くが月単位で構成されており、家賃や公共料金などの支払いは基本的に月単位です。これはお給料が月単位であることと大きく関係があり、ニュージーランドでは、2週間単位で給与を受け取れるため、家賃も2週間単位という場合が多くあります。年金支給も2週間単位です。

現在、年金受給者の4割が月額10万円未満です。基礎年金のみの人は788万人でその平均月額は5万円弱だそうです。単独ではもちろん、夫婦2人合わせても生活保護基準に達しない低年金世帯は増えており、少しでも臨時の出費があれば2か月後を待つのに大変な苦労を強いられています。生活保護世帯では最低限の生活を保障するために、当然毎月支給となっています。

わが国でも25年前には、3か月に1度の支給から2ヶ月単位に改善された経緯があります。システム改修等の課題解決は決して難しくありません。

多くの高齢者にとってただ一つの収入である年金の毎月支給を求めることは、至極自然なことであり切実な要求であることを考えれば、地方から国に改善を求める声を届けてほしいというだけの本陳情がなぜ不採択とされるのか理解できません。改めて本陳情の採択を求めます。

 

 

最後に、陳情第39号「地域の実情に応じた医療提供体制の確保を求める意見書の提出について」です。

これは、2014年の医療介護総合確保法に基づき都道府県が策定する「地域医療構想」における病床数の大幅な削減について見直しを求めるものです。

地域医療構想は、「団塊世代」が75歳を迎える2025年の医療需要と病床の必要数を推計し、医療費削減を図ろうとする構想です。その推計方法は基本的に現在の受診状況や入院状況を将来の人口推計に当てはめたもので、必要病床数については全国一律の病床稼働率が充てられています。

岡山県においては合計4046床の削減となり、とりわけ県北の削減率は高く、高梁・新見エリアでは45%、真庭エリアと津山・英田エリアでは31%もの病床が削減されることになっています。

後期高齢者数がピークを迎える2025年に病床数が大きく削減されることは、つまり次々に病院を追い出される人が出てしまうということです。在宅医療や介護の充実が抜本的に進まない中で、身近な病院にかかれない医療難民、介護難民を多く生み出すことになります。それはまた、中山間地域の医療従事者にとってもさらに働く場が奪われることにつながり、都市圏との医療格差を助長するものではないでしょうか。

高齢化率の高い中山間地域で24時間体制の在宅医療の確立は大変大きな課題です。だからこそ国の示す計算方法に当てはめるだけの一方的な病床削減値を出すのではなく、そのエリアでどの病院がどんな役割を果たしているのか、その地域の開業医の状況や在宅医療の資源、介護施設との連携状況など地域の実態を十分に調査して初めて、2025年問題を見据えた地域包括ケアシステムのあり方を示せるのではないでしょうか。

よって、陳情第39号について採択を求めます。

 

以上、議員各位のご賛同を求めて討論を終わります。

市政ニュース速報版№216号(16.12.15)

16年12月15日

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11月議会閉会

林・田中議員が討論

こども園化・頑張る学校予算に反対

11月定例岡山市議会は15日、来年度からの保育料引き下げなど全61議案と陳情の2件を可決・採択して閉会しました。受動喫煙の防止を求める陳情などは継続審査とされました。

党市議団は、補正予算の認定こども園推進と頑張る学校応援事業に反対し、不採択とされた陳情のうち「原発再稼働反対」「病院の病床数削減反対」「年金の毎月支給を求める」など5件の採択を求めました。

「認定こども園」推進…公的責任が後退し、待機児童解消に逆行

補正予算に反対する討論に立った林潤議員は、認定こども園の予算について、待機児童がいるもとでの推進は保育の公的責任後退につながり、保育園と幼稚園の統合や他の公立園の廃止・民営化路線では、待機児童解消に逆行することを強く批判しました。そして、待機児童解消策は保育園の増設という本来の立場に立つべきだと求めました。

ご褒美で“頑張れ”は教育ではない

林潤議員はまた、「頑張った学校」に100万円配るという県事業に応じた市の予算について、発想も使い方もおかしいと厳しく指摘しました。行政のやるべきは、子どもたちが伸び伸びと学び、教職員が子どもたちと向き合える環境整備を進めることであって、ご褒美を示して「さあ、頑張れ!」とするのは違います。

また、対象となる児童生徒の数が異なるため、一人あたり約3400円と360円で10倍近い差が出る不公平な事業です。教育環境の整備は、全市的に方針化すべきだと主張しました。

原発、年金、医療・介護…いのち守る陳情がなぜ不採択?!

陳情の討論に立った田中のぞみ議員は、原発関連について福島第一原発の事故にまつわって、廃炉や核のゴミの処理に膨大な時間と費用が掛かること、火山や地震の安全性などの大問題が未解決のままであることを具体的に指摘し、「英知を集めて原発に代わるエネルギーのあり方を未来に示そう」と呼びかけて、原発の再稼働や増設の中止、無責任な避難指示解除の撤回、加害者である東電の責任をあいまいにしないことなどを求める3陳情の採択を求めました。

また、在宅医療・介護の充実が進まない中での病床数削減に反対する陳情や、年金の毎月支給を国に求める陳情への賛同も求めました。

これらの陳情は、自民・公明・創政が反対して不採択となりました。

 

市政ニュース№216号(161215)PDF版